ペリドット

カンラン石(オリビン・Olivine)のうち、宝石にできる色と透明度と大きさを持ったものをペリドットと呼びます。
地球の核の外側にある層=マントルの上部は、主にカンラン岩から構成されていると考えられていて、ペリドットは火山活動や地殻変動により地表に現れたカンラン石から採石されます。
古代エジプトで発見され『太陽の石』として崇められていたペリドットは、遠征していた十字軍がヨーロッパに持ち帰り、中世の教会や聖堂の装飾に使われるようになりました。ドイツのケルン大聖堂では200ct以上ある大きなペリドットが東方の三博士の聖堂を飾っています。
ペリドットは8月の誕生石で、石言葉は『夫婦愛・和合』。悪霊や恐怖心を取り除き、平和や明るい未来へと導く力を持つ石として、パワーストーンとしても人気のある宝石です。
ペリドットの種類・バリエーション
【イブニング・エメラルド】
夜のほの暗い照明の下でより一層美しく輝いたため、ローマ人たちは『イブニング・エメラルド』と呼んで賞賛していました。『イブニング・エメラルド』とは、ペリドットの異名です。
【パラサイト・オリビン(隕石)】
宇宙から飛来した隕石に含まれているカンラン石です。そのペリドット部分を宝石にしたものは、希少で珍しいため、とても高価な宝石となっています。『パラサイト』という名は、ロシアで発見されたクラスノヤルスク隕石を研究したドイツの学者ペーター・ジーモン・パラス氏に因み命名されました。
【女神ペレの涙】
ハワイに伝わる『ポリネシア神話』に登場する大変気性が激しく、衝動的で怒りっぽい残忍な美しい火の女神ペレ。ハワイの人々は、ペリドットのことを『女神ペレの涙』と呼んで重宝しています。キラウエア火山が噴火すると「マダムペレが怒っている」と言われ、その溶岩に含まれたカンラン石や大地に咲く花などを持ち帰ると女神ペレの逆鱗に触れ不幸になると言われています。また、ハワイには砕けたカンラン石を含む、オリーブ色の砂浜『グリーンサンドビーチ』(通称)があり、幻のビーチとも言われています。
ペリドットを選ぶポイント
【色】
茶色みが強すぎず、オリーブを連想させる濃いグリーンのものや明るいライムグリーンのものが高評価となります。
【内包物】
薄い黒雲母のかけらのインクルージョン(内包物)によって、緑色に褐色を加えオリーブグリーンを発色しています。しかし、あまりにインクルージョンが多く褐色が強くなると評価は下がります。
【輝き】
ペリドットの大きな特徴は、一筋の光が二重の光となって出ていく複屈折率を持つことです。それにより表面に油脂を塗ったようなツヤのある輝きを生んでいます。大粒の結晶の場合、正面から見ると裏側のカットの線が二重に見え、同じ複屈折率を持つルビーやサファイアよりもはっきりと確認することができます。
【大きさ】
溶岩の急上昇によって地上で急冷して結晶が割れて、ほとんどは小粒の結晶となってしまいます。そのため、大粒の結晶は貴重なものとなります。
ペリドットのお手入れ・注意点
- 比較的硬度が低く、へき開性もあるので衝撃に弱く割れやすいため、超音波洗浄器は避けてください。
- 通常のお手入れは乾いたやわらかい布で拭く程度にし、汚れが気になる場合は幼児用の柔らかい歯ブラシか絵筆等でやさしく汚れを取り除いてください。

